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~上総side~
僕が最初に『彼女』に出逢ったのは僕が20で
『彼女』が15の時だった。
僕が使用人として連れて来られた場所は
お屋敷と言うよりも城のような所で
庭だけでも何坪あるんだか分からないような場所で
『彼女』は無数の花に囲まれて
黒いドレスを身に纏い
まるで凛として咲く花のように立っていた。
『彼女』は僕に気付くとジッと僕を見てきた。
印象的な紫の瞳に
瞳と同じ艷やかな紫の長い髪に
15歳には見えない整った面立ち。
長い手足に
日焼けもしたコトのないような真っ白な肌。
僕も『彼女』から目を逸らすコトが出来なかった。
どこか淋しげな瞳…。
どこか哀しげな瞳…。
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