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ようやく顔をあげた俺が質問する前に、山河は反対にきいてきた。 「リュウキは、彼らがこわい?」 へっ? 「なんで」 耳とか尻尾とかついてるけど、それ以外は普通にヒトのような気がする。たぶん。 山河は無表情にうなずく。 「……大丈夫なら、いい」 「? ってゆーか……」 そもそも。 「あの人? たちって、なに」 「ああ。えーと……獣人、かな……。人でもあり獣でもある種族、でわかるかな」 あの耳とか、本物なのか。 「ここ……軽井沢だよな?」 「いや」 山河は即答。 俺は、ぎゅっと両手を握りしめる。
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