第1章

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 私は布団から少しだけ頭を出して彼の様子を探る。なんと彼も携帯電話を扱っているようだ。眠るといっておきながら何をしているのだろう。まさかエロサイトでも見ているのだろうか、目の前に3次元でエロを堪能できるサイトがあるというのに……。  しばらく彼の行動を監視していると、彼は携帯電話を放り投げてゆっくりと部屋から出て行った。  どこへ行くというのだろう。トイレは部屋の中にある。  ……まさか密会?  私は寒気を感じ身を震わせた。まさかここまで別の女を一緒に連れ込んでいたとすれば、早く眠るのにも頷ける。昨日は私の方が先に眠ってしまったから、彼がどこかへ行ったとしても気づかない。  ……そんな、まさかね。  私は友人に再び連絡を取った。彼女は大丈夫と連呼しているが、彼の行動が気になる。いくら彼女が彼氏の幼馴染だったとしても彼の全てを知っているわけではない。  私はそっと彼氏の携帯電話を覗いた。ロックが掛かって中身は見れないが、そこに表示されていたのは、早く来い、という女からのメッセージだった――。
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