第1章(裏) 卯月の学校

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第1章(裏) 卯月の学校

───4年前の春、私は父親の仕事により転校した。 中学1年生だった。転校とはいえ私はクラスにスッ馴染むことが出来た。 中学校初めての友達『榊 千歳(サカキ チトセ)』はとても優しく、頼れる存在であった。 評判も良かった。 この時期、おたふく風邪が流行っていた。 クラスでも何人かの人がかかってしまっていた。 私はおたふく風邪かかった事がなくかからないようにと予防をしていた。 思い返せば…私はおたふく風邪になってしまった。耳元学校腫れ、痛かった。高熱などといった症状も出ていた。初めのうちは、ただ聞こえづらいだけだと思っていたが、2日目には流石におかしいと思うほどだった。 家の外を救急車が走っている。 サイレンの赤いランプが回っている。 ───ここで私は判ってしまう。自分の耳が聞こえないことを 私は絶望のあまり身震いし、床に蹲ってしまった。 両親に相談することが出来るのだろうか。 友達と話すことができるのだろうか。 勉強はできるのだろうか。 耳は聴こえるようになるのか。 自分に未来はあるのだろうか… そんな日々が続いた。
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