四人の……

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そして二年以内に十人殺せなかったり仕事(人を殺す事)をサボると――同じく地獄に堕とされる。 これが死神達の世界なのだ。 重くて、残酷で、だけれど―― 「お前達は、一人前の死神になりたくないのか?」 「なりたいっつうか、ならなきゃなんねぇ……」 「じゃないと地獄に落とされるじゃないですか……」 おとなしくしていた三繼期と羅維納を睨み、そう言った終。冷たく低い声が、憤りに近い感情を終が抱いていることを示す。 二人はバツが悪そうに、歯切れのよくない返事をした。 「そうだろう? だから、一人前にならなくてはならない。情けない顔している場合ではないんだ」 「……そうね! 死神は常に非情な精神を持ち、人間を殺してあの世に連れていく。それが私達の役目なんだから!」 重苦しい空気を破ったのは、冬実だった。笑いながら、三人の顔をぐるりと見回す。 「俺はこれから標的とした人間に招待状を出す。そして……容赦なく惨殺してやる」 終の目は、深い野望と憤慨に満ちていた。
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