1071人が本棚に入れています
本棚に追加
そして二年以内に十人殺せなかったり仕事(人を殺す事)をサボると――同じく地獄に堕とされる。
これが死神達の世界なのだ。
重くて、残酷で、だけれど――
「お前達は、一人前の死神になりたくないのか?」
「なりたいっつうか、ならなきゃなんねぇ……」
「じゃないと地獄に落とされるじゃないですか……」
おとなしくしていた三繼期と羅維納を睨み、そう言った終。冷たく低い声が、憤りに近い感情を終が抱いていることを示す。
二人はバツが悪そうに、歯切れのよくない返事をした。
「そうだろう? だから、一人前にならなくてはならない。情けない顔している場合ではないんだ」
「……そうね! 死神は常に非情な精神を持ち、人間を殺してあの世に連れていく。それが私達の役目なんだから!」
重苦しい空気を破ったのは、冬実だった。笑いながら、三人の顔をぐるりと見回す。
「俺はこれから標的とした人間に招待状を出す。そして……容赦なく惨殺してやる」
終の目は、深い野望と憤慨に満ちていた。
最初のコメントを投稿しよう!