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まさか、そんなのあり得ない。
笑っている圭恵と巴那の間から、優奈は一人思考しつつ終の方を見る。
「……何の本読んでるのか、聞いてみようかな」
優奈の口から、ポツリと言葉が漏れる。
「やめた方がいいよ。優奈」
「そうそう。関わると黒魔術の標的にされるよ!」
終に対してあくまで肯定的な優奈が不満なのか、万理乃と圭恵が口々に否定する。
「標的って……そんな」
だが優奈の言葉を聞かずに、圭恵と巴那の二人は何やら推理をし始めた。
「もしかしてあの事件も、あいつの仕業だったりして」
「うわぁ、やりそ~」
「んで動機聞かれたら『いじめられて腹が立っていた。誰でもいいから殺したくなった』とか言ったり」
「完全被害妄想だし!」
「うわ~ッ!」
巴那と圭恵は妙に盛り上がっている。
その様子を優奈と万理乃はただただ見ていた。
圭恵達が言うような人なのだろうか……終は。
優奈には、とてもそうは見えなかったのだ。
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