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今日も今日とて、怜司さんは仕事の合間を縫って、私と式場見学に来てくれている。
これで何件目だろう。
みんな、どれくらい回って決めているのだろう。
やっぱり私は、迷いすぎなのかな。
「このパイプオルガンが奏でる生演奏の中、式を挙げていただけます。とても素敵な響きなので、きっと感動的な挙式となりますよ」
計算しつくされたような笑顔のプランナーさんが、私達をチャペルへと案内してくれた。
雑誌にも載っていたから、それが売りであることは知っていた。
それもきっと素敵に違いない。
純白のウェディングドレスを着て、タキシード姿の怜司さんに向かって歩く。
ほら、すごく素敵じゃない。
でも、どうしてもしっくりこない。
どうして? こんな自分が、すごく嫌。
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