第4章 その距離に私は惑う

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あの時は恥ずかしくて否定していたけど、変わりたいと思ったということは要するにそれを望んでいるということだ。 今は言葉の定義なんて考えず、黒崎さんと水族館に行くことだけを考えればいいんだ。 友達でもないし、ましてや恋人でもない。 唯の書店員とお客さん。若しくは知り合い。 そんな程度の関係かもしれない。 でも、私の片想いの相手であることは間違いないのだから。 緊張するし、これからどう変化していくのか分からない。 そもそも、黒崎さんはどうして私を誘ってくれるんだろう。 映画の後のカフェでした本の話が少しは盛り上がったからだろうか。 それは黒崎さんにしか分からないんだから、考えても無駄なことかもしれない。
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