第4章 その距離に私は惑う

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「黒崎さんっておっしゃるのね」 「うわぁっ、違うの!」 「お幾つの方?」 「違うってば!」 どんどん墓穴を掘っている気がする!! 「琴音をデートに連れ出せるんだから、きっと積極的な方なのね。余裕がある人じゃないと、貴女みたいな引っ込み思案の子を連れ回せないものね」 「連れ回されてなんかないよ! まだ、映画しか行ってないもん」 「あら、前回は映画だったのね。今度、ゆっくり話を聞かせてね。ほら、選ぶわよ!」 「ああああ、もうっ!」 母の尋問(ひっかけ)には引っかかりたくないのにっ。どうして、どんどん白状させられてるの?! 私って、やっぱりチョロいんだ……。
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