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「そう、それなら大丈夫。それと、一緒にいることに誰の許可も必要ないわよ。その人が隣にいていいと言ってくれたら、胸を張って隣にいればいいのよ」
「……そういうものなのかな」
「そうよ。ほら、時間は大丈夫? せっかくなんだから、思いっきりドキドキして、思いっきり楽しんできなさい」
「うん、ありがとう」
そう言われて、そのドキドキに殺されそうなほどですが、とは言えなかった。
でも、思いっきり楽しむというのは大事かなと思う。映画の時も思ったけど、今日が最後かもしれないのだから。
そう思った途端、急に胸が締め付けられたようにギュッと痛んだ。
……最後だなんて、嫌だ。
でも、もし黒崎さんが次の約束をしてくれなかったら、私からは何も言い出せないだろう。つまりは、今日で会う予定は途絶えてしまう。
どうしたらいいのだろうと思いながらも、出掛ける最終チェックをして「いってきます」と声をかけて家を出た。
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