最終章 届け、この想い

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怜司さんの苦悩が、不安が、様子のおかしい原因が……分からない。 元カノさんが何らかの影響を及ぼしているとは思うのだけど、具体的なことは何も知ることができず、そして、怜司さんに面と向かって聞くこともできずに、時間だけが過ぎていく。 もしかしたら、怜司さんは元カノさんと寄りを戻したいのに、私を傷つけることを恐れて行動に起こせず、悩んでいるのではないだろうか。 そう思ってしまうこともしばしば。 でも、怜司さんの私を見る目が、そうだとは確信させてくれない。 冷静な怜司さんの視線に、これまで以上に熱が篭っていて、逃れることを許さないとでもいうような雰囲気を感じてしまう。 怜司さんの態度が、一見すると、執着されているのでは、と錯覚してしまう。 私は自分の身の振り方も決められず、かと言って、怜司さんと話し合うこともできずにいた。 そんなある日。 仕事が終わり、最寄駅に向かって歩いていた時、私を引き止める声が聞こえた。
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