スカイハァアア――イッ!

4/17
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
 四月七日午後一時少し過ぎ。  入学式も終わり、新たなクラスメートとぎこちない挨拶を交わしてそそくさと教室を後にする。そして、小学校の頃から変わらず、親友の神木朔夜と昇降口で待ち合わせ。のんべんだらりと校門を通り抜け、学校から少し離れた桜並木の中を歩いていた最中のことだ。 「ううー……祐也とクラス離れるなんて、やだぁ……」  困ったと言うように頬に両手を当て(女子か)、悲しげに呻く、色素の薄い美少年。身長は俺よりも頭一つ分高い、百八十センチメートルを少し過ぎた程度。  くるりと上を向いた睫毛に縁取られた目は優しげに垂れていて、額からすっきりと通った鼻は高い。先程少し触れたが色素が薄く、髪も瞳も榛色で、所謂hazel eyesというやつだ。肌は透き通るように白く、毎年夏になると日に焼けるのではなく赤くなってひりひりと痛むらしい。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!