3.ちぐはぐな二人

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「こんなご馳走に誘って頂いて誠に恐縮です」 「こちらこそ、待たせてしまって済みませんでした。 本国との連絡に手間取ってしまって」 襖の向こうからハスキーな声がかかった。 「お食事をお持ちしました」 扉が開き、レッドの防菌メガネをかけた仲居が入ってきた。 マイクは一目で確信した。この仲居だ。まずは合言葉から。 「Are you Ready?」 「Yes,I'm a Lady」 (見ればわかるでしょ、女に決まってるわ。 そんなことより、お酒の注文を尋ねなければ)  「Tell me your request」 「We finished MCZ. Hit Parade」 「MCZ? Hit Parade?」 (MCZが済んだ・・・?、ヒット・パレード・・・? もしかして、この人達、ももクロちゃんの ヒット・パレードをカラオケってたの?) アヤは再度確認した。 「Did you finish MCZ's Hit Parade?」 「Exactly」 「That's fine! Maybe you are so thirsty. Tell me your request of rice wine」 瀬川は、ちぐはぐな二人の会話に苦笑した。 仲居が去ったあと二人は本題に入った。 「瀬川さん。あなたの提案は実に素晴らしい。 週刊真実さんの海外向けサイトの写真も拝見しました。 既存の通信社からは入手できない貴重な写真ばかりです。 是非、我が社と組ませてください。本国に戻ったら すぐに局長を説得します」 「心強いお言葉を頂いて光栄です。 ブルース・パークさんとのアライアンスは私の夢です」 その時、襖の向こうから声がした。 「お酒をお持ちしました」 扉が開いた。 今度はイエローの防菌メガネをかけた仲居だった。 マイクは首をかしげた。 (二人もいるなんて聞いてなかったぞ。仕方無い。 こうなったら、もう一度だ) 「Are you Ready?」 「Yes,I'm Ready. Tell me your request」 「We finished MCZ. Hit Parade」 「Certainly」
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