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「編集長、編集方針を変更させて下さい。
謝罪を求めるキャンペーンを張ろうとしたのは間違いでした」
「今更何を言い出すんだ?」
「過去にこだわり続ける限り憎しみは消えません。
いかなる謝罪も憎悪の前には無力です。
そして憎悪は世代を超え受け継がれ、人の心を蝕みます」
「正義に照らし合わせれば謝罪が必要だと言ったのも、
謝罪がそれを絶つと言ったのも、君じゃなかったのかね?」
「私が未熟でした。謝罪を求めるのは、その裏側に
正義があるからではなく、憎悪があるからです。
いや・・・、そうじゃない・・・もしかすると・・・」
「もしかすると、何だね?」
「正義と憎悪は同じもの・・・」
「・・・気付いてくれたようだね」
「えっ!?」
「君を伊勢志摩にやったかいがあった」
「編集長・・・」
「で、編集方針はどうする?」
「恩讐を超えてこそ、未来がある」
「いいじゃないか。それで行き給え」
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