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ニューヨーク、情報通信社、ブルース・パーク。
日本への特派員に抜擢されたマイクは局長室に呼ばれた。
局長の横には軍人風の紳士が一人立っていた。
「サミットの取材の他に、君には重要な役目がある」
「と、いいますと?」
「報道関係者の宿泊場所は伊勢志摩ホテル。
そこの日本料亭で、ある人物にコンタクトして貰う。
その人物は料亭の仲居、ゴールディー・ジューソー。
目印として防菌メガネをかけて貰う手筈になっている。
その仲居を見つけたら君から
『Are you Ready?』
と声をかけるんだ。
返事の合言葉は
『Yes,I'm Ready.Tell me your request』。
そこで確認がとれたら、こう返せ。
『We finished MCZ』」
「MCZとは、何の事でしょう?」
「MはMoney、CはCable、ZはZ-account、
つまり、『Z口座への送金は完了した』という暗号だ。
そして、続けてミッションを伝えて貰いたい」
「どのようなミッションでしょう?」
「その内容はサミットの日まで解らない。
当日の現地は警戒が厳重でGIAは下手に動けない。
そこで君がエージェントとして選ばれたのだ」
「GIA?」
横に立つ紳士が穏やかな表情で口を開いた。
「これは国家機密に属することです。
ですから、よけいな詮索はしないで下さい。
今の説明にあった通りの手順を踏んで頂ければ、
あなたの身には何の危険もありません。
料亭の食事の予約番号は13番。
不自然にならぬよう、現地で知り合った誰かを誘って
食事をとるのがよいでしょう」
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