2.伊勢志摩ホテル

3/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
ニューヨーク、情報通信社、ブルース・パーク。 日本への特派員に抜擢されたマイクは局長室に呼ばれた。 局長の横には軍人風の紳士が一人立っていた。 「サミットの取材の他に、君には重要な役目がある」 「と、いいますと?」 「報道関係者の宿泊場所は伊勢志摩ホテル。 そこの日本料亭で、ある人物にコンタクトして貰う。 その人物は料亭の仲居、ゴールディー・ジューソー。 目印として防菌メガネをかけて貰う手筈になっている。 その仲居を見つけたら君から 『Are you Ready?』 と声をかけるんだ。 返事の合言葉は 『Yes,I'm Ready.Tell me your request』。 そこで確認がとれたら、こう返せ。 『We finished MCZ』」 「MCZとは、何の事でしょう?」 「MはMoney、CはCable、ZはZ-account、 つまり、『Z口座への送金は完了した』という暗号だ。 そして、続けてミッションを伝えて貰いたい」 「どのようなミッションでしょう?」 「その内容はサミットの日まで解らない。 当日の現地は警戒が厳重でGIAは下手に動けない。 そこで君がエージェントとして選ばれたのだ」 「GIA?」 横に立つ紳士が穏やかな表情で口を開いた。 「これは国家機密に属することです。 ですから、よけいな詮索はしないで下さい。 今の説明にあった通りの手順を踏んで頂ければ、 あなたの身には何の危険もありません。 料亭の食事の予約番号は13番。 不自然にならぬよう、現地で知り合った誰かを誘って 食事をとるのがよいでしょう」 *****
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!