頑固一徹と八方美人

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僕がまだ子供の頃、ぶっきらぼうすぎる父がイヤで母にどうにかならないかと嘆いたことがある。 「お父さんは、あれでいいの。短気でぶっきらぼうだけど優しいでしょ?」 母にそう言われて、そうだけどと僕は口ごもった。 確かに父は、短気でぶっきらぼうだけど、よく一緒に遊んでくれて、よく叱るけれども後も引いたことがない。 だけど、あまり多くを語らない父を僕は苦手に思っていた。
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