サンダルさんとホウキ君のやん事なき受難

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サンダルさんとホウキ君のやん事なき受難

 超能力で世界は救えない。  いつだって世界は人間の欲望で変わってきた。  努力は報われず正義は滅びる。それが現代なのだ。 「だから私の存在意義が見いだせないのです」  サンダルさんがヨヨヨと嘆いた。 「いつだって世の中は世知辛いのさ。もっと熱くなれよぉ!」  ホウキ君が拳を握りながら檄を飛ばした。 「またお決まりの会話だね。今掃除してるから静かにしてよ」  ぼくは2人を嗜める。頭の上の2人だ。  いきなりだけど、ぼくは超能力者だ。  普通の人にはない特殊な能力──それが超能力というものだろう。  ぼくはそれを天から贈られた能力”ギフト”と呼んでいる。  なぜ普通の人はギフトを持たないのか?  その理由は簡単で、答えは守護霊の違いなんだ。  普通の人は亡くなった人間の守護霊が憑いている。  でもギフト能力者には特殊なのが憑いているんだ。  それは精霊や天使、八百万神や天部神将といった神霊が憑いている。  もっとも、ぼくの守護神はある意味で特殊であることは否めないんだ。 「ヒナタさん、何をブツブツと言っているのですか?」 「真心こめて掃除しないと陰徳(いんとく)が積まれないぞ」  サンダルさんとホウキ君が、頭の上で注意した。  2人はぼくの守護神である。  人間1人に守護霊1人が基本だけど、ぼくには2人の守護神が憑いている。  ぼくが特殊なギフト能力者であるゆえんだ。  なぜ2人の守護神が憑いているのか?   それはぼくの身体に秘密があるからだ。
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