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僕はなおのことがとても、気に入ったので、メール交換を申し出た。
なおは少し迷っていたが、僕がまだ高校生でまだ子供だと思ったようで、申し入れを受けてくれた。
僕はこの時から、なおとメールをやり取りして、デートに誘い、一緒に遊ぶようになった。
僕はデートのつもりだが、なおはどう思っているのだろう。
僕はその疑問はまだ、口に出しては言えなかった。
それはまだ、僕が幼くなおから見たら、子供だと思われているのだと思ったからだ。
身長もまだ、なおと変わらない。
そんな状態のまま、僕はなおだけを見つめ続けていた。
いつしか、身長はなおを追い越し、なおはぼくの事を見上げる様になっていた。
初めて会った時は華奢だった僕の身体も、今は筋肉が付き逞しくなり、なおをお姫様抱っこする事が出来るようになった。
そうして僕となおの間には、あれから、10年の歳月が流れていた。
僕は今また、なおと初めて会った植物園の展望台のベンチに座っていた。
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