15人が本棚に入れています
本棚に追加
「これ」
「何これ・・・」
「開けてみて」
「うん」
そう言ってなおは小さな箱を開けてみた。
中から小さなダイヤモンドの指輪が出てきた。なおの表情が変わった。
いつも以上に笑顔になっている。
「司、これ婚約指輪なの」
「うん、小さいけど今の僕の給料じゃあ、これが誠一杯なんだ。小さいけど、愛情は沢山入っているよ。なお、僕と結婚してください」と真剣な表情でいう。
「司、私の方が年上だよ。先におばあちゃんになっちゃうよ。いいの」
「うん、いいよ、僕は老けて見えるから、きっとなおよりも僕の方が年上にみられるよ」
「私の方が先に死んじゃうよ。いいの」
「それはだめ、なおは僕よりも長生きしてほしい」
「でも、でも」
「なおは、僕の事嫌いになったの。僕と結婚するのが嫌なの」と司はなおを見つめて言う。
なおの瞳が潤み始めていた。
そしてなおは小さな声で
「司と結婚したい」と呟くと泣き始めた。
それを見た司は、おろおろとし始めた
「なお、どうしてなくの。僕何かひどいこと言ったかな」なおは顔を横に振り
「違うの。嬉しいの。司の奥さんになれることがとても嬉しいの」となおは言いながら泣くのを止めなかった。
僕はなおの背中を優しくなでながら
「なお、愛しているよ」と囁く。
「私も好きー」となおが泣きながら言う。
My Heart Will Go Onの曲が流れる中で、初夏の優しい風に吹かれながら愛を誓いあっていた。
終わり
最初のコメントを投稿しよう!