第1章

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戦争や災害などで人間が大量死するときは、大量死が終わった後に魂の回収を始める。 ただ今回のような人類絶滅のような時は、この世界を管轄する死に神達だけでは手が足りなくなる事もあり、死に神養成学校を卒業したばかりの見習いが動員され、落第をギリギリ回避したこの若い死に神も、仕方なく動員されたとの事だった。 そして俺に年配の死に神は、幾つかの案を提案する。 1つは、この別荘に寿命が尽きるまで留まる案。 もう1つは、俺が存在しない世界に連れて行かれ、寿命が尽きるまでその世界で暮らす案。 最後の1つは、死に神の補助要員となる案。 最後の案は通常、天使や使い魔から抜擢されるとの事で、人間がこの職に就いたことは無いとの事だったが、俺はこれを選ぶ。 人類が滅んだ地球でたった1人、余生を送るなんて真っ平だし、知らない世界に島流しになるのも嫌だ。 そして俺は、この糞ガキのお目付役を兼ねた、補助要員の道を歩むことになる。
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