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社長夫婦には子供がいないため、社長の妹の息子である正文に近い将来会社を継がせるのだそうだ。
彼と福田家の長女、福田早苗(フクダサナエ)が結婚をする…はずだった。
ところが最初の顔あわせの時だった。
いつものように朝ご飯を食べようとした時、
「あなた、大変です!」
悲鳴のようなお母さんの声に、わたしは箸を落としそうになった。
「何だ、朝から騒々しい」
お父さんは呟いた後、新聞から顔をあげた。
「早苗の部屋にこんなものが…!」
お母さんが1枚の紙をお父さんに見せた。
「ええっ!?」
それを見たお父さんの大きな声に、わたしはまた箸を落としそうになった。
一体どうしたって言うのだろう?
そう思いながらお母さんの手元にある紙を覗き込んで見たら、
「ええっ!?」
驚きのあまり、わたしは大きな声を出した。
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