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“大切な人”と言う言葉に、わたしの心臓がドキッと鳴った。
「…本当に、わたしでよかったんですか?」
確認のために呟くように聞いたわたしに、
「若菜だからいいんだよ。
若菜は俺の大切な人なんだから」
課長は答えた。
わたしを見つめる眼鏡越しの瞳が恥ずかしくて、チラリと窓の外の夜景に視線を向けた。
色とりどりの小さな宝石を散りばめたような光景が足元に広がっていた。
そんなこと、思っていたとしても口に出さないでよ…。
心の中で呟いていたら、
「そうだ。
若菜の誕生日って、確か11月だったよな?」
課長が思い出したと言うように言った。
「えっ…はい、そうです」
わたしは夜景から課長へ視線を向けた。
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