2・ビターな生活と新しい下着

4/19
前へ
/315ページ
次へ
「先月お前がデザインした下着なんだけどな、取引先の社長がお前のデザインを使いたいって言ってきたんだ」 そう説明をした課長に、そう言えばそんなことがあったなとわたしは思った。 確か、“オトナ女子が絶対に着たい勝負下着”と言うコンセプトで下着のデザインを描いたことを思い出した。 わたしが描いたデザインは、やはり採用されなかったのね。 できることならもう1度専門学校時代に戻ってデザインの勉強を1からやりたい…。 「ほ、ホントですか?」 そう聞き返した京やんの声は戸惑っていた。 「何だよ、嬉しくないのかよ」 課長が不思議そうに首を傾げた。 嬉しくないも何も、この状況である。 何事かと思って課長に呼び出されたかと思ったら、デザインの採用と言う訳である。 京やんが戸惑うのも当然だ。
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3526人が本棚に入れています
本棚に追加