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「ハハ、何やってんだろ…」
自虐的に呟いても、虚しいだけだった。
わたしと会わなかった間、圭介は他の女と浮気した。
わたしはわたしで風邪をひいたって言うウソを真に受けて、この状況だ。
最悪だ。
どん底へと突き落とされた気分だ。
「アハハ…アハハハハ…」
笑いながらフラフラと歩くその姿は、自分でも不気味だと思った。
そうだよね…。
仕方ないよね…。
仕事が忙しいとか家の用事があるとか何とか言って、圭介に会うのを断ってたし…。
こう言うのを自業自得って、言うんだよね?
そう思いながら駅につくと、その場で立ち止まった。
わたしは今、どんな顔をしているのかな?
すれ違う人たちが奇妙なものを見るような目でわたしを見ていると言うことは、わたしの顔は相当なまでに奇妙な顔をしているのかも知れない。
次第に気持ちが落ち着いてきた反面、さっきまで熱を持っていた躰が冷えて行くのがわかった。
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