3・浮気疑惑と胸の痛み

14/20
前へ
/315ページ
次へ
翌日。 時計は朝の6時を差していた。 「本当に1人で大丈夫か? 駅まで送ってやろうか?」 靴を履いているわたしに、玄関まで見送りにきた京やんが話しかけてきた。 「大丈夫よ。 いっぱい泣いて、京やんに話を聞いてもらったら、すっきりしたから」 わたしは笑いながら言った。 いっぱい泣いたせいで目は少し腫れてしまったが、メイクでカバーすれば何とかなることだろう。 「圭介の件は俺に任せてくれ。 わかったことがあったらすぐに連絡するから」 そう言った京やんに、 「お願いね」 わたしは首を縦に振ってうなずいた。 「じゃあ、会社で」 「じゃあね」 京やんに手を振ると、わたしは彼の部屋を後にした。
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3530人が本棚に入れています
本棚に追加