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始発の電車に乗って、家についた頃にはもう日が昇っていた。
「課長、怒ってるかな…」
ドアの前で呟いた後、わたしは息を吐いた。
昨日は課長に何も連絡しないで、京やんの家に泊まったのだ。
「って、気にしない気にしない」
わたしは首を横に振った。
課長はわたしの行動に一切口を出さないって言ってるんだから、無断で勝手に外泊しても何も言われないよね。
よしと、わたしは首を縦に振ってうなずくと、そっとドアを開けた。
そーっと、まるで空き巣のように家の中に入ると、
「うわあっ!?」
驚きのあまり、わたしは大きな声を出した。
そのまま後ろへ倒れそうになったが、ドアにしがみつくようにしてバランスを保ったため、何とかまぬがれた。
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