4・失った恋と優しい上司

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「後、もう1つ」 京やんはサンドイッチをかじりながら、人差し指をわたしの前に出した。 「何ですか?」 そう聞いたわたしに、 「あいつ、1ヶ月前に会社辞めてた」 と、京やんが答えた。 「ええっ、ウソ!?」 驚きのあまり大きな声で聞き返したわたしに、 「バカ、時間と場所を考えろ」 京やんが言った。 この場にいる人たちの視線がわたしたちが座っているテーブルに集中していた。 しまった、忘れてた…。 「あっ、ごめん…」 呟くように謝った後、わたしはサンドイッチをかじった。 「それで、辞めたってどう言うことなの?」 そう聞いたわたしに、 「正確に言うなら上司の女に手を出して、それがバレて逃げたって言うところだな」 と、京やんが答えた。
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