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第2章 尚美、アレクサンダー王子の妃に...
トランペットの演奏が急に始まる。
「えっ、な、何?すごい大勢の人達が私に注目してる」
家来達が一斉に尚美に向かって膝まつき、男女のメイドも尚美に注目している。
まるで、当時のシュナイザー城に住んでる人達を再現してるみたいだ。
服装も、映画に出てきそうな王子様の格好というか。
タイムスリップしたような感覚に襲われる。
1人の男性が近づいてくる。
「尚美お嬢様、ようこそシュナイザー城へお越しくださいました。このお城でお寛ぎ下さいませ。私は、執事のダニエルでございます」
「ダニエルさん?どういうことですか?私、明日日本に帰るのですが?」
「日本??でございますか?そのような国は存じあげませんが?」
本当に、その当時のヨーロッパの時代に来てしまったようだ。尚美はふと思う。
私は、シュナイザー城を見学して、出口を1歩出ただけなのに。他の観光客はいないし、どうなってるの?一体??
とてつもない不安に襲われる。
周りを見ても、鉄仮面を着た強そうな人達が見張ってるし、これじゃ逃げられそうもないと思った尚美。
「尚美お嬢様」
「はい!」
尚美お嬢様だって!ちょっとどころかかなり気分いいなあ??
「お召し物ですが、そのような物ではアレクサンダー王子に失礼になりますので、着替えましょう」
チェック柄の長袖シャツにジーンズというラフな格好をしていた。
「えっ、あのう、私王子様に会うのですか?アレクサンダーさん?」
「はい、お待ちかねですよ。私の妃はまだか!と落ち着かぬ様子でした」
「えっ??妃?? 私、王子様の奥様になるんですか?」
「はい、おっしゃる通りでございます」
「何故私が??」
「私の妃になる女性は美しいに決まってる!早く会わせてほしい。とおっしゃっておりました」
「さ、お嬢様着きました。この部屋の中に沢山のドレスがご用意されています。その中でお好きな物を選んで着替えて下さい。中にはメイドがお待ちしてます。着替えを手伝ってくれますので。私は扉の外でお待ちしてます。いってらっしゃいませ」
「あ、はいご丁寧にどうも」
ダニエルは扉を開ける。
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