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コンコン。ノックをするダニエル。
「尚美お嬢様お連れ致しました」
「待っていたぞ、入れ!」
尚美は緊張の一瞬だった。
「あっ、王子様!」
思わず小声で呟いてしまう。
やっぱり素敵な王子様。背は高いしイケメン??
「姫!シュナイザー城へようこそ」
尚美の手の甲にキスをする、アレクサンダー王子。
これも映画で見たやつだ!と喜ぶ尚美。
「姫、そのドレスとっても君に似合ってて素敵だ。思っていたとおり、美しい方だ。私の妃になってくれて感謝する」
「いえ、こちらこそありがとうございます。王子様」
お姫様特有の挨拶をする。ドレスを持ち、膝を曲げる。
「あの、王子様」
「なんだね?」
「失礼ですが、お名前は?」
「あっ、それは失敬、失敬。私はアレクサンダーだ」
「私は...」
「姫の名前は知ってるよ、尚美姫!姫はどこから来たのかね?そこのソファにかけてくれ」
「信じてもらえないかもしれないですが、私は、遠い日本という国から参りました」
「日本?? 知らないなあ。その日本ってどんな国なのか教えてくれるか?」
「はい、王子様」
「日本は、春夏秋冬の四季があります。日本人は礼儀正しくて時間に正確です。人も乗り物も。春は桜が綺麗です」
「そうか、姫がいた日本とやらの国に一度行ってみたいな」
「はい!是非。その時は国内をご案内致します」
「楽しみにしてるぞ」
「はい」
王子様が日本に興味を持ってくれたことが嬉しかった。
それからというもの、妃になるためのテーブルマナーだったり、礼儀作法の仕方を執事に教わる。
慣れないことに頑張る尚美だった。
アレクサンダー王子と結婚の儀を行い。
次の年には、女の子を出産して、1児の母になった。
名前はハンナ。
ドイツのシュナイザー城のアレクサンダー王子と結婚してから、もう5年の月日が流れた。
王子と尚美とハンナ、シュナイザー城で3人幸せに暮らしている。
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