厄介な者

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厄介な者

実際ね……僕は捻くれ者なんだよ。 僕が生まれてきた意味なんて、何処かに在るのかな? いや、別に観念的な話をするつもりも無いのだ。 だってさ、僕が何かを考えたところで世の中が変わったりするワケじゃあ無い。 もちろん実感なんて出来たりしないのだけれど、偶然に偶然が重なって、絶妙なバランスで生物が存在する星が生まれた。 それはさ、ある種の人々にすればロマンだし畏怖の対象なのかもしれないけれど…… それがどうした? 地球が出来てからの人類の歴史なんて、瞬きするより短いって言うじゃない? それならば、ロマンとやらを一生感じたところで春にふわふわ飛ばされるたんぽぽの綿毛より軽くて、ミトコンドリアよりちっぽけだ。 地表に生えたカビみたいな人類の、そのまた何十億分の一でしかない僕がどう生きようがどんな意味があるのだ? まあ、意味が無いとわかっている癖にそんな事を考えているのだから、僕は矛盾の塊なのだろう。
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