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あれは、俺が大学一年の春。
なんとなく親しい友達もできないまま
大学生活も、ひと月を過ぎようという頃。
学校からの帰りの電車で、
偶然、高校の同級生と出会ったのがきっかけだった。
名前は、神田 由奈。
高校時代、彼女が、それなりにモテていたのも知っているし、
彼氏がいたことも知っていた。
もちろん、同じクラスだから、
彼女が東京の女子大に進学することも分かっていた。
だが、特に親しかったわけでもなく、会話もさほどした記憶はない。
しかし、なんとなくぼんやりとした孤独感を募らせていた頃でもあるし、
もちろん懐かしくもあり、
俺に気付いた彼女に、俺は自然と話しかけていた。
そして、流れで一緒に食べたその日の夕食の会話で
割と近くに住んでいることが分かり、
それから時々電車でも会うようになって、ひと月もする頃。
彼女のほうから、付き合わないかと誘われた。
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