13  大丈夫なのか、もぉ……  (続き)

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正直、それまで俺は、女の子と付き合ったことなんか一度もなかった。 その上、あっちからの告白とあって、俺は一気に舞い上がった。 幸い、多少なりとも共有できる思い出もあり、 口下手でヘタレな俺でも、デートの時の話題にもあまり困らない。 そうして、数回デートを重ねたある日、 いつも通り、彼女の最寄り駅まで送った時に 不意に駅舎の隅に引っ張って行かれた俺は、彼女からキスをされた。 絵に描いたように、一気にパニックになった。 だから、当然どうしていいか分からなくなり、ボォーッするしか出来ない。 だが、そんな俺に、彼女はトロンとした目で見上げてきた。 「ねぇ、奥村くんからもして……?」 キスなんてしたこともないし、どうしたらいいか分からず 俺は訳もなく迷った。 だが、それでも見上げ続ける彼女に、意を決して恐る恐る唇を寄せていく。 もう、自分でも分かるほど俺は震えていた。
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