13  大丈夫なのか、もぉ……  (続き)

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その日は梅雨の晴れ間で、昼過ぎまでジリジリと太陽に照らされた辺りは ひどく蒸し暑かった。 ところが、そんな天気が一変したのが午後のこと。 その日の講義を全て終え、そろそろ帰るかと校舎を出ると 辺りは夕方のように薄暗く、知らない間に、空は真っ黒な雲に覆われていた。 たしかにその日の朝、天気予報で天候が不安定になり易い旨、 予報士が言っていた。 だから、もちろん俺も傘は持っていた。 しかし、そこで俺は、傘を午前の講義のあった部屋に忘れたことに気付く。 空は、今にも泣きだしそうだ。 面倒ではあっても、さすがに傘を取りに行かない訳にはいかない。 そして案の定、件の部屋へと向かいだして間もなく やはり外では、あっという間に大粒の雨が降り始めた。 俺は、急ぎ足で廊下を駆けて行き、何も考えずに扉を開きかけた。 ところが、扉を開けかけた俺は、急いでその手をピタリと止めた。
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