33人が本棚に入れています
本棚に追加
正直、どれくらいそうしていたのかは憶えていない。
だが、耳鳴りのような雨音の中から女の喘ぎ声が消えたと思い、
我に返った俺の視界の中で、
事を終え、キスをしていた二人の顔が、ふっとこっちに向けられた。
そして、二人が一辺にニヤリと俺に向かって笑った。
その瞬間に、つんざく様に響いたのは
雷鳴だったのか、俺の心の衝撃音だったのか。
だが、次に気付いた時、
俺は、混乱する頭のままで豪雨の中を走っていた。
もちろんその後に、彼女との仲が続くわけはなかった。
いや、それどころか、俺の心にも身にも大きな傷だけが残ることになった。
最初のコメントを投稿しよう!