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第1話
(あらすじ)
これはインターネットが誕生して間もない1990年代初頭の話。当時、ネットサーファー(ネットをやる人たち)の間で、サイバースペースのどこかにゴーストタウンがある、という噂が広まった。かつてはコミュニティサイトとして繁栄していたが、運営会社が倒産し、放置されたままゴーストタウン化したという。だが、それがネット上のどこにあるのかは誰も知らなかった。
主人公の平田星也は、そのゴーストタウンを見つけた。町を探索し、地下迷宮に入ると、プレーヤーだった自分がいつしか、迷宮に住み着くゾンビキャラになっていた。そこで新たにやってくる探検者(プレーヤー)を待ち伏せし、襲いかかり、逆にめった切りにされて、リアルな痛みを感じながら死ぬということを何度も繰り返した。
星也の友人・手茫章は怪奇現象に興味を持っているプログラマで、星也の体験を「サイバースペースに住み着いた妖怪のいたずらだ」と説明した。彼によれば、妖怪はいたずらをするだけで人間に大きな被害を与えるわけではないという。
星也はゴーストタウンには二度と近づかなかったが、別のサイトでゲームをやっている時に、再び妖怪のいたずらにひっかかり、心臓麻痺で死んでしまう。
手茫章は、妖怪が人を殺すほどのことをしたのに驚いた。だが、サイバー妖怪は昔の妖怪とはちがう新世代。現実社会でも子供や少年が凶悪犯罪を犯すようになっていることを考えると、サイバー妖怪が人を殺しても、ある意味納得できる。
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