【最終話】切ない恋

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辺りを行ったり来たり 落ち着きなく歩き回った。 メールを送った後、彼からの連絡はない。 …タクシーに乗っているはずだ。 私は階段まで戻って一段目に腰を降ろした。 時間が時間なだけに、他の住民の出入りは心配しなくてもいいだろう。 私は膝を丸めて腕で抱え込み、頭を埋めた。 気になっているのは彼女のこと。 越石くんは…室井さんを好きだったはずなのだ。 だから私は、 さっきの彼の言葉の意味を図りかねている…。 『高遠さん…会いたいよ』 一番恐れているのは 私が彼の…慰め役に選ばれたんじゃないかってこと。 彼女がダメだから…私。 他の人でもいいけど…とりあえず私。 もしかして…そういうことかもしれない。 少し冷静になると こんなことまで考えられるのに さっきはそんなことも出来ずに言ってしまったのだ… 私の本心を。
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