【最終話】切ない恋

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眠りから覚めたのはもう昼近くになってからだった。 カーテンから洩れる日差しは濃く、太陽の位置は高かった。 私が目覚めると越石くんは既に起きていた。 肘を着いて、まどろむ私を笑いながら見つめていた。 「…やだ…。ずっと…見てたの?」 私は布団を鼻の上まで引き上げた。 「何すんの。隠さないでよ」 越石くんがその布団を引き下げた。 「高遠さんて、寝顔…かわいい」 「…か、からかわないでよ」 「からかってないよ。ホントに思ってただけ。…食べたくなっちゃうくらい」 「…からかってるじゃん。年下のクセに年上を子ども扱いして…」 私の一言に 彼は穏やかだった表情を少し硬くした。 そして、勢いよく私に覆いかぶさった。 「…年下とか年上とか、子供とか。そういうの…もう、なしにしない?」
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