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こんな夜中
常識外れもいいとこ。
だけど私たちの心は
初めて通じ合ったのかもしれない。
携帯を押し当てた耳には
ガザガサと大きな雑音が流れ込む。
彼が激しく動いているのがわかった。
バタバタと
ドタドタと
ガチャガチャ。
『…会いに行っていい…?』
静止したのか急に雑音が聞こえなくなった。
「…待ってる…」
『住所メールして!駅まで出ればタクシー拾える!』
雑音交じりの彼の声。
最後の言葉を言い終える前に
私には
玄関の閉まる
ガチャリという確かな音が聞こえた。
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