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電話を終えたばかり。
部屋は少し散らかってる。
着ているのはパジャマ代わりのパイル地のワンピース。
何かをしなければと思うのに
動くことが出来ないのは
今の出来事がまだにわかには現実だとは思えないから。
夢にさえみられなかったのに
いきなり現実になんて
なるはずがない。
私はしばらくたって、呼吸が落ち着いたのを見計らって
携帯の発着信の履歴を覗いた。
【越石 学】
「…コシイシ…マナブ…」
名前を呟くと再び涙が溢れる。
私は彼へ道標(ミチシルベ)となるメールをぼやけた視界のまま送信した。
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