【最終話】切ない恋

9/29
前へ
/29ページ
次へ
いてもたってもいられなくなり、 私の足は玄関に向いていた。 無事にタクシーに乗れただろうか。 タクシーの運転手はここがわかるだろうか。 彼は… 本当に 来てくれるだろうか… 玄関のドアノブを回し、表に出た。 階段を降りて アパートと駐車場を分けているゲートの外に出た。 外の風は 腕をさするほど涼しかった。 一秒が一分にも十分にも感じられた。 自分の胸の中が押し潰されそうで 目が回りそうだった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

535人が本棚に入れています
本棚に追加