辺境の花と濃紺の兵服

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「部活には入っていたいけど、塾が忙しいから緩いところに入りたいの。」 そう言って湾 まこ(いりえ まこ)が入部し、 「園芸部ってあの美人な先輩が二人おられるところですよね!?入部します!!」 そう言って見学も碌にせず日ヶ里 小梅 (ひかり こうめ)が1年後に入部した。 気づけば打ち解けて四人で気軽に季節の花の世話をする日々だったー。 さあ…、とひと際涼しい風が木の葉を揺らす。 「もお!織田先輩!何ボサッとしてるんですか!」 「へ!?」 「さっきから何回も呼んでるのにっ」 「え、あ、ごめん」 「ふふ、小梅ちゃんが織田君はどこの高校に行くの?って」 委員長がそれまでの会話を教えてくれる。 「あ、ああ、僕は…」 「そういえば聞いたこと無かった。もう高校織田君は決めてるの??」 あさ姫も興味深そうに雪霧を見た。雪霧の胸の奥が一瞬だけ疼いた。 「僕は、イギリスに行こうと思う。」
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