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「あーあー、暑いのはわかるけどさー」
「小梅ちゃんもちょっと言い過ぎよ。」
「だって織田先輩今日テンション低すぎなんですもん。いくらこの暑さだからって。」
「ふふ、そうね…テンションの低い原因は暑さだけじゃないと思うけどね…」
そう言って委員長はまた涼し気な顔でふふ、と笑う。
解せぬと云った面持ちで小梅が小首を傾げるも、まこは優美に笑みを浮かべるだけである。
と、そこへ…
「す、すみません~!遅れちゃいました~~!!
まこと小梅が振り向くとさして広くもない校庭の正面入り口から一人の少女が慌てて走って来る所だった。本国の者のものとは思えぬ金糸の髪は腰まであり、風に光るそれは白に近かった。不規則に大きく波打つ白金が太陽に透けるようだ。さながら遠国の姫と云った風貌は間近まで走り寄ってきた姿を改めて見て顕著だった。
「ご、ごめんね!朝…8時約束だったのにっ…」
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