1.サムライのお子様ランチ

51/51
1245人が本棚に入れています
本棚に追加
/280ページ
 ハッとした二人は、すぐに凛々しいサムライの表情に戻った。 「では、陽一殿。我々は失礼するでござる」  まずは真のサムライと認める陽ちゃんにご挨拶。陽ちゃんもきちんと一礼し、「またな」と笑顔を見せている。 「まどか……いや、まどか殿も、どうか息災にお過ごしくだされ」 「えっ……」  今、まどか殿って言った? 言ったよね!? 私のことも真のサムライとして認めてくれたってこと?  でも私は女だし、サムライではないと思うけど……まぁ、いっか! ちょっと嬉しいかも。 「ああ、あとそこの百瀬。おぬしも達者でな」  次の瞬間、百瀬さんの大事な何かが切れた。ブチッと音を立てて、確かに。 「ついでみたいに言うなーっ! なんで俺だけ呼び捨てのままなんだよ!?」  ブハッ! 切れたのは『堪忍袋の緒』ってヤツだったかな?  なにはともあれ、完成したお子様ランチの評判も上々だし、百瀬さん退治もできたし、これにて一件落着♪
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!