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「ねぇねぇ、この格好っておかしい? ネックレスとイヤリング両方つけるのはやり過ぎかな?」
真珠ちゃんの落ち着かない様子に、ははーん……と合点する。招待客の中には、何人か男の子がいたはず。きっとその中に気になる子がいるんだわ。
「おかしくないよ、かわいいよ。ネックレスのパールは一粒だけだし、イヤリングも小さくてスッキリしているから問題ないよ」
「本当? おばあちゃんなんか、何聞いても『大丈夫だ』しか言わないんだもん」
もはや、どんな言葉も信じられない状態なのね……。わからんでもないけどさ。
「本当にかわいいよ。陽ちゃんと百瀬さんにも聞いてみなよ」
私がそう言うと、真珠ちゃんは、より多くの賛成票を得て自信をつけるべく、厨房へ通じる引き戸を勢い良く開けた。
「お父さん! 百瀬さん! この格好どう思う? 正直に言って!」
作業台でフルーツポンチを作っていた百瀬さんが、感心したように賞賛する。
「おお、すっげーかわいい! さすが陽さんの血を引くだけあるなぁ!」
そこかよ……。なんでもかんでも陽ちゃんに持っていくんだから。
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