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間違えた、神であるこの私が!
やらかしてしまった。ひとつの人生を!
彼の両親は、出産予定日よりも早く産まれて衰弱している彼を病院で預けている間、交通事故により不帰の客となられた。
ここで彼の両親を殺さなければ良かったのだ。
もう、遅いのだ………。
両親が信号で待っている時に二人に突っ込んだ車は、逃亡中の犯罪者が乗っていた。
その犯罪者は、もう生きている価値ナシと判断されたロクデナシである。
運が尽きたのだ。
だから私は犯罪者に天罰を下した。
彼の両親は、本当に、ただの偶然で巻き込んでしまった。
手が、滑ったのだ。私からしたら些細なミスで、世界が変わるわけでもない。
ただ、たった一人の人生を滅茶苦茶にしてしまったと言っても過言ではない。
ここで、あの男女(両親)に子供がいたことに気付いていれば………。
両親を殺さなければ、親戚から厄介者扱いをされるはめにもならなかった。
保育園も小学校も中学校も、「障害」に偏見のない生徒がいるところにしてあげれば、心が歪んでいる者しかいない所に偶然入れていなければ、彼は虐められることもなかった。
完璧に、私は、やらかしてしまった。
なぜ、今の今まで気づけなかったのか。
生命は、運勢はプラスマイナス0になるようになっている。なるようにしている。
人をいじめていた人は、将来リストラされ。
子供の頃から金持ちでなに不自由なく過ごした人にも、挫折がくるようになっている。
なっている、のに。
こんな、マイナスがずっと続いてしまう人を見落とした。
気付いたのはつい最近だ。
だから、ちゃんと修正してあげようとした。
幸せにさせようとした矢先、
彼は自ら命を絶ってしまった。
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