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しまった!遅かった!
私はすぐに、彼の命をこの場所に引き寄せた。
ここなら、彼と会話できる。
………彼を死なせる人生を作った張本人の私が、一体どの面を下げて話せばいいのかは、全くわからない。
かつ、個人を完全な私情でお呼びたて(強制)だなんて、神生初めてである。
「神から見放された」なんて言い回しがあるだろう。
悪人相手に目を瞑るのではなく、本当に目を滑らせて何をしてるんだ、私は。
私が見放してしまった彼を、今からでも遅くないだろうか...兎も角、すくい上げなければ。
彼の命がきた。
命が具現化し、私に人の姿を見せる。
………歪んでいた。
魂の形は見るに堪えない。
濁っていた。
何度絶望し、諦めたのだろう。
廃れていた。
魂は時に心とも言い換えれる。砕け壊れ欠けたその姿は、荒んだ汚れをへばりつかせ、動きを止めていた。まるで もう何も感じないと言わんばかりに。
彼はもう、心を壊して、自分を見て見ぬふりをして、
二次元が好きという、オタクの性格で隠していた。
彼はオタク。
ならば、私もネタというものに走ればいいのかもしれない。
そうすれば、私の心の緊張を
ほぐせるかも、しれない。
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