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「え?」
と、アルくん。
やっべ声に出てた?はっず
「好きになれそうって、どういう…」
「いや~~~~~凄い話聞いたナ~~~~ほいだら俺は勇者アルくんの英雄譚めちゃくちゃ見たいな~~~~全国大ヒット間違いなし!!!天国にも名声が響いて弟くんもニッコリ間違いなしだねホホホホホアルくんもそうは思わんかね」
「えっ!?あ、うん。勿論!!善を積めば、神様も見てくれてるって言うし」
「そしたらトレーニングを怠るなってことだな!明日もいくんだろ?塀の外」
「そうだね、今日はもう日が暮れてる…
明日行けるクエストをギルドに戻って見てみて…
先に受注しちゃおうか。
そうすれば夜の間に道具の買い足しもできる」
「あいよ、んじゃその手筈で。ご飯食べきっちゃうか」
「ん。ふふ…さっきも思ったけど、ゼーレ普通に話せるようになってきた?」
「おん。むしろこっちが素だな。
んー…
(なんて伝えようかな…まともに喋る機会がなくて慣れてないってだけなんだけど、アルくんには気を使わない方がアルくんが喜ぶってのもわかったし…)
…すっごい人見知りなんだよね。
だから、人と普通に話すのに時間がかかるタイプっていうか…」
「え!」
「うお」
「嬉しい!確かに君、カジナール院とかギルドとかでも、気張ってる感じしたし…無理に慣れろとは勿論言わないけど、僕と、友達みたいにさ、たくさんはなしてくれたら、いいなぁって。 こっちに来てからまだ日が浅くて同期の知り合いがいなくてさ…」
「オォ…(浄化)」
「あれ、ゼーレどうしたの!?
あっ、友達というよりか…
これから、一緒にクエストとかできるならさ、
パーティーメンバーってことで……仲間か、僕ら」
どうかな?と首をかしげながらはにかむアルエル(大天使)に、俺は粉みじん残らず浄化されましたとさ、めでたしめでたし。
なんて冗談はおいといて、きっちりお皿を空っぽにして、お腹いっぱいでギルドにまた馳せ参じたのであった。
自分の嫌な思考回路を、アルくんの身の丈話に隠して。
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