夜、自己嫌悪

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明日の予定は、初心者を極めている俺のためにクソ簡単なクエストを見繕った。 言うならば はじめてのおつかいである。 傷口に直接塗るタイプの薬草を見つけてドーレミファーソーラシード、だ。OK? 採取に必要な布袋やナイフ、小瓶…。諸々を購入して頂いた。 俺の服だが、アルくんが買ってくれようとするのを丁重にお断りした。 流石にこれ以上値段がかさむのが嫌だったのと、古着屋で「随分いい素材の服着てんね」と店員のおばちゃんに言われたのがきっかけでティンときたのである。 今俺が着ているのは異世界の化合物質…ナイロンやらなんやらが使われたものである。ちったぁ丈夫なんじゃなかろうか。 初クエストを完了した記念に、冒険用の服は自分で買おうと決めた。 そんなこんなで現在夜中。宿屋からお送りしています。 窓の外には前の世界より良く見える星空が広がっている。 あの星どもの一つに地球はあるんだろうか。 この世界に来て、一日が終わろうとしている。 まだ一日、されど一日。随分と濃厚であっちゅう間に時間泥棒された。 興奮冷めやらないのか、ベッドが硬いのか、原因はわからないが寝付けそうにない。 健康優良児アルくんはお隣でグースカピーである。
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