夜、自己嫌悪

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俺の服を脱がす2番目の父親の顔が、突然縦に裂けた。 その裂け目は顔だけに留まらず、首、身体まで伸びていってパックリと左右に分裂する。 さ、SAN値チェックです(震え声) まて、人間は左右対称だから神経衰弱出来るしまだ発狂するには早いかもしれない。 「ふぅ、よし。」 さけるチーズと化した父親が立っていた場所には、見知らぬ男性がいて俺を見下ろしていた。 裂いたのは、この人なんだろうか。 「パンッパンッ」と手の汚れを落とすような拍手をして、俺に手を差し出してくる。 「手を。」 「お、...お?」 「斉木楠雄の燃堂ですかアナタ?いいからほら、手を取ってください。」 「アッハイ」 おずおずと手を伸ばし、掴むと同時に俺の身体にまとわりついていたクラスメイトの腕も、継母の手も、奇異な視線も性的な目も、とにかく全部霧散して消えていった。 思った通りに動くようになった身体を、男性は腕を引いて立ち上がらせてくれる。 辺りを漂っていたドス黒い記憶達は、メイちゃんに見つかったまっくろくろすけの如く何処かへと逃げていった。 そのお陰か、ようやっと男性の姿をしっかりと見れる。 「ブッ」 「え?今私の顔みて吹き出しました?」 「アッヒョwwwwwwクソwwwwwwキノコヘアーwwwwwwすごwwwwwwwwめっちゃマッシュwwwwwwwメレ、メレブじゃんwwwwwwwwヨシヒコのwwwwwメレブだwwwwww」 「チョイデイン」ピリリ 「ン、オッ あれ...肩凝り治った気がする.......」 「この電流1万回分流して感電死させたりましょうか」 「失礼な事言ってすみませんでしたッッッ」 「よろしい」 トラウマが近くから居なくなったからだろうか、呼吸もしやすくなった夢の中でキノコヘアーさんはシャランッと髪をはらう。 老人とは思わせない綺麗な新雪の髪色、マジでメレブにしか見えないキノコヘアー。鋭すぎる目付きにハリーポッターみたいな丸眼鏡。そして何よりも目を引くのは、背中に控える純白の双翼。 手にはらわれた髪が元の形に戻る頃には、男性の頭上に豆電球のような明かりを発する輪っかが浮遊していた。 これは、つまり、そういう事ですか。 この人、エンジェル的なアレ.....ってコト!?
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