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食堂では、騒ぎに気が付いた看守がショットガンを構えて中に入ってくると、掴みかかってきたギャングの胸に、至近距離から12番散弾を撃ち込んだ。
至近距離から12番散弾を撃ち込まれ、胸に大きな穴が空いたにもかかわらず、ギャングは歩みを止めず看守に掴みかかり、その顔の肉を食い千切る。
その姿は、テレビで見たゾンビその物であった。
俺の後ろの騒ぎも大きくなり、噛みついてくる料理長を取り押さえようとして、また何人かの囚人が噛まれている。
俺は流しの脇にあった包丁を手に取り、料理長の目に突き刺した。
料理長が動かなくなったのを見て、厨房の囚人達も先を争い食堂から逃げて行く。
食堂と厨房には、俺と泣き叫び助けを求める犠牲者と、その犠牲者の肉を頬張るゾンビ共が残された。
俺は厨房の備品である包丁やアイスピックで、哀れな犠牲者の肉に夢中なゾンビの頭を突き刺し、食堂内のゾンビと犠牲者の全てを屠る。
そのあと看守達が身に着けていた拳銃などの装備を頂き身に着け、ショットガンを拾い上げた。
ショットガンを所持していた看守のポケットを探り、予備の散弾を取り出してショットガンに1発装填、残りの散弾を俺のズボンのポケットに押し込む。
ショットガンを構え食堂のドアの外を窺う。
外を窺う俺の耳に、刑務所のあちらこちらから響いてくる銃声と、人間の断末魔の悲鳴が聞こえてきた。
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